小さな会社・個人事業の経営者に伝えたい「7つの提言」6.個人保証は自己破産のパスポート ①破産会社の7割で、社長個人も破産へ
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小さな会社・個人事業の経営者に伝えたい7つの提言
納得感で決めていませんか?
私の両親は既に他界しているのですが、父の葬儀を母に代わり私が執り行うことになったときのことを話させていただきます。私は大学進学から生家を離れていましたので、故郷での葬式がどんなものか、見たことも参列したことも情報もなく、全く想像がつきません。初めにビックリしたのは、病院から父の遺体と一緒に生家に帰ったときです。誰もいないはずの家には明かりが灯っていて、近所の女性方が台所でお茶の準備をしていたことです。しばらくすると何となく見覚えのある隣組の人たちが居間に集合、私は挨拶をするよう促されます。「右も左も分かりませんが、皆さんどうぞよろしくお願いします。」と短く終わると、葬式への段取りがこの地区のしきたりなのでしょう、かってに進んでいきます・・・その流れの中で私にはいくつか判断が求めれます。中でも一番困ったのは、戒名の文字数とお布施の金額です。お通夜まで数日あったので、その間に訪ねて来る近所の人達との話題でも「○○さん家は○○だから、このくらいじゃないの・・・」と皆さん思い思いのことを話されます。誰かにどうしたら良いか聞いてみたいと思いましたが、何かそれぞれに思惑もあるよう?で躊躇しました。困った私は、直接お寺へ出向き住職に相談してみましたが、ここでも煙に巻いたような話でどうすべきか整理できません。そこで私は判断を下すためのルールを決めました。「分からないことは考えても仕方ない、自分が納得いくかいかないかの感覚で判断しよう」というものです。この基準を拠り所にして何とか葬儀を終えることが出来ました。これで良かったのかな?周りの人はどう見ていただろうか?数日後、幼馴染の父親から「葬式良かったよ!」の言葉をいただいたとき、私はホッとしたのと同時に少々自信がついたような気分になりました。
なぜこんな話をしたかと言いますと、
私のこの時に得た妙な感覚が、「糧」となってしまい後々の判断ミスの原因になっているのでと思っているからです。
ここで、ChaGPTに聞いてみましょう・・・経営者が自身の納得感で状況判断や経営決断をすることは良いことでしょうか?
(答え)
経営者が自身の納得感で状況判断や経営決断をすることは、場合によっては良い結果をもたらすことがありますが、慎重なバランスが必要です。納得感というのは、経営者が持つ経験や直感に基づく判断力であり、迅速な決断が求められる場面や、従来のデータや分析だけでは解決できない問題に対して有効です。
ただし、以下の点に留意する必要があります。
1.データとのバランス:納得感だけでなく、データや分析を基にした客観的な情報も考慮することが重要です。感覚に頼りすぎると、思い込みや偏見による誤判断のリスクがあります。
2.多様な意見の尊重:経営者の納得感だけでなく、他のメンバーや専門家の意見を取り入れることで、より多角的な視点からの判断が可能になります。これにより、経営決断がより確実なものとなるでしょう。
3.状況に応じた柔軟性:経営環境は常に変化するため、納得感だけに固執せず、新しい情報や状況に応じて決断を見直す柔軟性が必要です。
総じて、経営者の納得感は重要な要素であるものの、それに過度に依存することなく、他の情報や意見と組み合わせてバランスの取れた判断を行うことが理想的です。
ん、なるほど、おっしゃる通りだと思います。
納得感をに偏った判断はとっても危険だと言うことです。業績も気持ちも乗っているときならまだしも、ピンチの場面やリスクへの対応で「自分は危機を事前に察知する能力がある!」的な根拠のない自信も同様に考え物です。
私たちは日頃からどんな時でも事業運営、経営判断に際し、周りの人たちの話をよく聞くことを習慣化し、加えて「第三者」の意見に耳を傾けることも大切でだと思います。利害関係者(ステークホルダー)からの話では、時に「納得感」に逃げ込むことでバランスを失ってしまうことを私は痛感しているからです。
「小さな会社・個人事業の経営者に伝えたい7つの提言」は
次回「7.サードオピニオンを持とう ③利害関係のない第三者」につづく
*この章のお言葉
リスクとは、自分が何をやっているか分からない時に起こるものだ。
ウォーレン・バフェット