最低賃金時給1500円時代への処方箋、【提言】令和版・明治維新!
今回の衆議院選挙の最大の関心ごとだそうですが、最低賃金、時給1500円論争が巻き起こっています。中小企業にとっては死活問題ですが、一方それが払えない企業は退場すべきとの声も上がります。ではそのお金は誰がどのように負担する、捻出するのでしょうか?もっと目指す国家像を国のリーダーは語っていただきたいものです。
以下私の処方箋、「令和版・明治維新」を提言させていただきます。
目指すはデンマーク型、豊かで高効率な社会へ
デンマークは、・幸福度世界2位・国際競争力世界1位・電子政府ランキング世界1位・デジタル競争力世界1位・ワークライフバランス世界1位(首都コペンハーゲン)・・・
数々の世界トップレベルの指標を誇るデンマーク。その背景には、仕事に対する独自の価値観と、それを支える社会システムがあります。
デンマークでは、仕事は単なる収入源ではなく、自己成長やアイデンティティ形成の場と捉えられています。そのため、転職を前提としたキャリア設計が一般的で、企業は社員の成長をサポートし、柔軟な働き方を奨励しています。また、午後4時までに仕事を終え、プライベートを重視する文化が根付いており、ワークライフバランスが非常に高い水準で実現されています。
このような働き方が可能となっているのは、高度なDXの導入や、古い慣習にとらわれない社会風土のおかげです。行政手続きはオンライン化され、キャッシュレス化も進んでいます。また、過剰なサービスと言える24時間営業の店はほとんどなく、国民全体が時間に追われることなく、ゆとりある生活を送っています。
デンマークの事例から、私たち日本が学ぶべきことはたくさんあります。特に注目すべきは、生産性向上に対する国民全体の共通認識です。デンマークでは、「生産性は社員の喜びと情熱から生まれる」という考え方が広く共有されており、企業は社員のモチベーションを高めることに力を入れています。
ちなみにデンマークでは食料品も含む消費税率が25%、所得税も40~60%と給料の3分の1以上を占めるとても世界でも上位の税金の高い国ですが、医療費や教育費は無料、高齢者サービスも充実しています。
日本のキーワードは、信頼の回復と生産性の向上
・国と国民の関係:信頼は、まず政治、政府と国民の関係を改善し、国民が安心して豊かに暮らせる社会のベースを築き直すことです。デンマークのように財政民主主義をしっかり根付かせその上で消費税などの税率を上げ、医療や介護費、教育費などの無償化、転職支援や失業手当の拡充へ向かいます。
そのためには政治はクリーンで、税金の使い方に無駄やムラ、不正があっていけません。特に国民ではなく既得権益や組織を守ることが優先されるような隠ぺい的な体質をこの国から撲滅することが重要です。負担が重くなる国民はもっと真剣に国のやっていることに目を光らせなければいけません。
・企業(社長)と従業員の関係:並行して、企業(社長)と従業員の関係再構築です。今の働き方改革は「楽してほどほどの給料をいただく」ことに陥り、「静かな退職」がまん延し「エンゲージメント率」は世界最下位とこれでは益々生産性が落ちるばかりです。そうではなくて、経営者は「もっと付加価値を生むこと、魅力ある職場を築くことをリード」し、従業員は「企業(社長)のために、もっと情熱をもって働く」関係に作り直すことです。
そのためには、過去を踏襲するのではなく一人一人がよく考え、どんどん変えていく「より短時間でより少人数で成果を得ることへの挑戦」が働くことであるとの生産性向上への共通認識を持つことです。当然企業間の利益を上げ、利益を従業員へ配分する競争も激しくなり、淘汰も起こるでしょうし、転職も今よりずっと当たり前の社会に向かいます。
さらに付け加えると時給で給料を支払うことをやめることだと私は考えます。時給が上がっても効率が良くなり時短が進めば、時間で測る賃金制度下では結局は賃上げにはつながりません。生産性の向上には賃金制度を成果報酬型にすべきではないでしょうか。
これらを総称して「シン働き方改革」と呼びたいと思います。
令和版・明治維新
最低賃金【時給1500円】時代は、時給2000円以上でもよいと思いますし、それは豊かで幸せな暮らしができる国創りであるはずです。豊かさとは生産性が高い社会であり、訳の分からない見えない力がはびこっているようではいけません、ポジティブでオープンな国のカタチを「デンマーク型」へ舵を切りながら「シン働き方改革」を全国民で断行する「令和版・明治維新」が今求められているのではないでしょうか。明治期のあの日、西洋から学んだように。